元気が出る数学I・A

元気が出る数学I・A〜質問解答集〜

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問題集「元気が出る数学I・A」の質問とその回答をページ別にまとめています
同じ問題集を使っている方はぜひ復習にご活用ください

p56の質問

なぜ急に相加相乗平均を使ったのでしょうか??何を目安にしたのか分からないです...

回答

相加相乗平均は、ある特定の形をした関数の最小値を求めるのに非常に役立ちます!

まず相加相乗平均の関係について確認しましょう。
相加相乗平均の関係とは、ある2つの変数$x$と$y$ が$x>0,y>0$を満たす時、

\begin{align}

x+y{\geqq} 2\sqrt{xy} \label{eq1}

\end{align}

が成り立つことを表します。
そして等号成立( 式(\ref{eq1})において$=$ が成り立つ)は $x=y$ のときです。
(これを等号成立条件と言いますが、相加相乗平均を使う時はこの等号成立条件を書かないと減点されます)

では、これがいつ関数の最小値を求めるのに役立つかというとズバリ
$x$と$y$ が互いに逆数の関係にあるとき
です。
今回の問題のように$x=a$、$y=\frac{1}{a}$のようなケースがそれに当たります。
なぜ逆数だと嬉しいかというと、式(\ref{eq1})の右辺にあるルートが以下のように綺麗に消えて、数字が取り出せるからです

\begin{align}

a+\frac{1}{a}{\geqq} 2\sqrt{a \cdot \frac{1}{a}}=2 \label{eq2}

\end{align}

式(\ref{eq2})をみると$a+\frac{1}{a}$の最小値が1であることがすぐにわかりますよね!
このようにルートが綺麗に消えるときに相加相乗平均が大変役立ちます。
ただし先ほども言ったように等号成立条件を書き忘れないように注意しましょう。
(記入例:「ただし等号成立は$a=\frac{1}{a}$、つまり$a=1$のとき成り立つ。」)

おまけに

ここまで聞くと、相加相乗平均を用いるのは$x$と$y$が逆数の関係にある時だけ?他にはないの?と思うかもしれません。
結論からいうと、他にも使える場合が存在します。それはうまく式変形してルートを綺麗に消せるときです。
例えば$x>0$で以下の関数の最小値が聞かれたとします。

\begin{align}

x+\frac{4}{x+3} \label{eq3}

\end{align}

式(\ref{eq3})では$x$と$\frac{4}{x+3}$は逆数の関係にはないので相加相乗平均の関係は利用出来ないように見えます。
しかし式(\ref{eq3})を以下のように変形してみるとどうでしょうか。

\begin{align}

x+3+\frac{4}{x+3}-3 \label{eq4}

\end{align}

そう!
$x+3+\frac{4}{x+3}$の部分には相加相乗平均の関係を用いることが出来ますよね!
なぜなら以下のように綺麗にルートが消えてくれるからです。

\begin{align}

&x+3+\frac{4}{x+3}-3 \\
{\geqq}& 2\sqrt{x+3 \cdot \frac{4}{x+3}}-3 \\
=& 2\sqrt{4}-3 \\
=& 1  \label{eq5}

\end{align}

式(\ref{eq5})より無事最小値1を求めることが出来ました。
このように、綺麗にルートが消える形を作ってあげることで、相加相乗平均を用いることができる問題もあるので覚えておくようにしましょう!

p68の質問

$f(x)$と$g(x)$を連立して出来た$h(x)$は何を表しているのでしょうか??ページ右側にある曲線と直線の関係のイメージ図もよく分かりません...

回答

$h(x)$は$f(x)$から$g(x)$を引いたもの、つまり$h(x)=f(x)-g(x)$を表しています
なぜこのように$h(x)$を表したか以下で説明します

まず今回の問題では、$y=f(x)$が$y=g(x)$より上側にあると言われていました
これを数式で表すと以下のような不等式になります

\begin{align}

f(x)> g(x) \label{68-1}

\end{align}

後はこれを解いて$k$を求めれば良いわけです
式(\ref{68-1})で$g(x)$を左辺に移行すると、(不等式を解く際は基本的に右辺の項を左辺に移行して0にする)

\begin{align}

f(x)-g(x)> 0 \label{68-2}

\end{align}

ここで$h(x)=f(x)-g(x)$とおくと

\begin{align}

h(x)> 0 \label{68-3}

\end{align}

これでかなりすっきりして分かりやすい不等式になりましたよね!
このように不等式を簡単化するために、$h(x)=f(x)-g(x)$と表したのです!
次に図解についてですが、$h(x)=f(x)-g(x)$に問題で与えられた$f(x)$と$g(x)$を具体的に代入すると、$h(x)$は以下のように表せます。

\begin{align}

h(x) &=f(x)-g(x) \\ \nonumber

&=x^2+2x+3-(x+k) \\ \nonumber

&=x^2+x+3-k \label{68-4}

\end{align}

これを式(\ref{68-3})に代入すると、

\begin{align}

x^2+x+3-k> 0 \label{68-5}

\end{align}

となります。式(\ref{68-5})は二次不等式ですよね!
二次不等式の解き方は、「グラフをイメージし、判別式を利用する」です!
式(\ref{68-1})をグラフに言い換えると、$y=x^2+x+3-k$の二次関数が$y=0$の直線よりも上に存在することを表します。
その結果、p68の右のような図になるわけです。
後は二次不等式の解き方に従って、$x^2+x+3-k=0$の判別式を$D$とし、$D>0$を解くだけなので割愛します。
上記のような流れで考えていくようにしましょう!

p132の質問

P132の右ページに「3桁の数abcが3の倍数となるための条件はa+b+cが3の倍数となること」とあるが、これは常識ですか?

回答

当たり前に使って良い知識ですが簡単に証明も出来ます
3桁の数abcは数式で表すと、100a+10b+cですよね?
これを3で割ると以下のようになります

\begin{align}

&100a+10b+c \\
=&3(33a+3b)+a+b+c

\end{align}

今3(33a+3b)は3の倍数です
よってもしa+b+cが9や24などの3の倍数であれば、3(33a+3b)+a+b+cも3の倍数となるので、100a+10b+cは3の倍数といえますますよね?

これが「3桁の数abcが3の倍数となるための条件はa+b+cが3の倍数となること」となる理由です!

p135の質問

p135の「頻出問題にトライ・16の(2)」の答えで4色の塗り方192通りまでは分かりました
この内A〜Fを3色のみを使って塗った場合が4C3×6になるのはなぜですか?

回答

この問題集ではp135の段階ではまだCが登場していないので、解けなくて当然ですね笑
以下ではCの意味はすでにわかるものとし、4C3×6を、「4C3」と「6」と「4C3と6の掛け算」の3つに分けてそれぞれ意味を説明しましょう

4C3について

これは赤・青・黄・白の4色から3色を選んだときの全場合の数を表しています
3色のみで塗るにしても今は赤・青・黄・白の4色があるので、どの色を選ぶか全部で4C3通りの可能性があります

6について

これは塗るのに使う3色を決めた時に、A〜Fを実際に塗っていくと6通りの塗り方が存在することを表しています
Aから順をおって塗る色を見ていくと以下のようになります。

  • Aに塗る色は3色のうちなんでも良いので3通り
  • Bに塗る色はAに塗る色を除いた2色の2通り
  • Cに塗る色はAとBに塗った2色以外の1通り
  • Dに塗る色はBとCに塗った2色以外の1通り
  • Eに塗る色はCとDに塗った2色以外の1通り
  • Fに塗る色はDとEに塗った2色以外の1通り

よってA〜Fの塗り方は全部で3×2×1×1×1×1の6通り存在することが分かりました

4C3と6の掛け算について

これは4C3通りの3色の組み合わせ1つ1つに対し、上で考えた6通りの塗り方が存在するからです
例えばAくん,Bくん,Cくんが皆リンゴを6個持っている場合、全部でりんごは3×6=18個ありますよね
それと全く同じです

以上よりA〜Fを3色のみを使って塗った場合は4C3×6で求めることが出来ます

P139の質問

6人を2人ずつ梅、桃、桜の3組に分ける場合の90通りは理解出来ましたが、その後区別がない場合に割った分母の3!がよく分かりません。
3!は梅桃桜の並び替えの順列の際に使うのではないのでしょうか。

回答

仰る通り、3!は梅桃桜の並び替えであっています
3!で割ることで、区別をなくしているのです!
イラストで説明しましょう

梅桃桜を赤青緑に対応させ6人をA〜Fとするとき、90通りのうち、試しに「AとB、CとD、EとFがそれぞれ同じ部屋に入っている場合」を書き出してみましょう

上図のように、赤・青・緑の部屋の並び替えの総数、つまり6通り存在します

avatar
「AとB、CとD、EとFがそれぞれ同じ部屋に入っている場合」ってことは、赤青緑の部屋を並び替えて(6通り)、その1パターンごとに、AとB、CとD、EとFを左から順に入れていけば、「AとB、CとD、EとFがそれぞれ同じ部屋に入っている場合」を全て考えていることになるよね♪

では次に部屋の区別を無くす、つまり元どおりの色に戻してみましょう

部屋の区別をなくすと、いずれも全く同じになりました!
このように部屋の区別をなくすと、区別があった場合の6通りがたった1通りにまとめられるんです!
上図では「AとB、CとD、EとFがそれぞれ同じ部屋に入っている場合」で考えましたが、他のケース、例えば「AとC、EとD、BとFがそれぞれ同じ部屋に入っている場合」などでも部屋に区別がある場合は6通り存在し、区別をなくすとたった1通りになります

つまり区別を無くすことで、90通りの内のあらゆる6通りが1通りにまとめられていくので、p139では90通りを3!=6 (通り)で割っているのです

avatar
90人の中から、6人につき1つグループをつくっていくとき、合計グループ数は90/6 = 15 (グループ)となるのと同じだよ♪

こういった組み分け問題は以下の記事でより詳しく解説しているので、良かったらみてください!

区別がある?区別がない?組分け問題をイラストで分かりやすく解説!

 

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