英文解釈の技術100の問題13,14,15について、提出いただいた和訳を添削し、解説します!
添削方法
答案例の和訳に対し、以下のルールで色をつけて添削します
- 赤色文字:致命的な間違い(文構造の取り違いなど)
- 青色文字:単語レベルの間違い(知らない単語の訳しミスなど)
- 緑色文字:間違いとまでは言わないが少し変な訳
問題13
添削前
(2) ハンブルクで活動を開始したイギリスのアイドルグループ
添削結果&解説
(1) ヨーロッパに住む人々が常識とすることの多くはマスメディアによって作られた「世界村」の1共通の部分2である。
(2) ハンブルクで活動を開始したイギリスのアイドルグループ
全体の印象
構造は比較的取りやすく実際に大きく間違っていなかったのですが、そもそも日本語で考えても意味が分からない英文で難しかったですね、、、
こういう英文では高得点を取ろうと頑張りすぎず、大きなミスがないように早めに切り上げるのも一つの作戦かもしれません
1について
ここではofを単に所有のofでとり、A of Bを「BのA」と訳したのだと思いますが、同格のof「〜という」が正解です
まずこの下線部を前から読んでいったときに〜 are part of the common property、つまり「〜はその共通の財産の一部だ」となりますが、「その共通の財産」と言われても前文も存在しないのでさすがに意味不明ですよね
しかしそのあとにof the 'global village' created by the mass mediaが来て、ofを同格「〜という」でとると『先程意味不明だった共通の財産とは「マスメディアによって作られた地球村」だよ!』と教えてくれることになります
ただここでは所有のofで取っても文脈的に不自然ではないし仕方ない気もします
2について
propertyは「財産」です
よってpart of the common propertyで「共通の財産の一部」となります
仮にわからなかったとしても、一切訳さないのはよくないので、頑張って類推して補うようにしましょう!

添削後
(1) ヨーロッパに住む人々が常識とすることの多くはマスメディアによって作られた「世界村」の共通の部分である。
(2) ハンブルクで活動を開始したイギリスのアイドルグループ
問題14
添削前
添削結果&解説
それは、理知的な業績1や、独立の達成1や、人が仲間より偉くい続ける2ことが出来るようにする正しい自栄心さえの基本1である3。
全体の印象
大まかな文構造は合っていますが、とりあえず訳してやった感が強いですね笑
もう少し意味が伝わる日本語を目指しましょう
1について
the basis of Aの直訳は「Aの基礎、基盤」なので間違いではないのですが、そのままだと意味が伝わらないですよね
そこでよく考えてみると、今回、Aに対応する名詞には全て文が隠れています
名詞 | 文 |
intellectual achievement 「知性面の達成」 | achieve intellectually 「知性面で達成する」 |
attainment of independence 「独立を獲得(達成)する」 | attain independence 「独立をなし遂げる」 |
that proper pride which 〜 「〜するような適切な誇り」 | (have) that proper pride which 〜 「〜するのにふさわしい誇りを持つ」 |
よって今回はthe basis of AのAを全て文に変えてあげて、「〜する(ための)基盤」とbasisにつながるように翻訳できればよかったと思います
またeven 〜を機械的に「〜さえ」と訳すのもよくないです
evenは〜部分の強調に使われるので、「〜さえ」でうまくつながらないときは適切な強調語を補って訳すようにしましょう
ここでは〜部分を文に変えてあげて訳すので「はたまた...までも〜する」と文がうまく強調されるようにして訳しています
2について
hold his head high amongst his fellowsの構造を把握すると、holdがV、his headがO、highがC、amongst his fellowsが「前置詞+名詞」で記号なしなので、5文型ですね!
5文型の訳は「SはOがC (な状態)であるようにVする」でした
文型が怪しければ以下の記事も一度読んでみてください
よって直訳すると「仲間たちの間で頭を上げた(状態)になるように保つ」になります

これを意訳して「仲間より偉く居続ける」とするのは少しやりすぎな気がします
「頭をあげる=自信をもてる」だと考えて、「仲間たちの間で自信を持って振る舞える」と訳すくらいのほうが良いのではないでしょうか?
このように、文型の基礎に立ち返って訳すことも大切です
3について
also「〜もまた」の訳が抜け落ちています
簡単な単語の訳し忘れは非常にもったいないので気をつけましょう
添削後
それはまた、知性面で何かを達成したり、独立を成し遂げたり、はたまた、仲間たちの間で自信を持って振る舞うのにふさわしい誇りまでも持つための基盤なのだ。
問題15
添削前
それは誰も答えられない質問だ。
大学生の大半が使っている種類の小さめの辞書には約10万個ほど載っているかもしれない。
添削結果&解説
それは誰も答えられない質問だ。
大学生の大半が使っている種類の1小さめ2の辞書には約10万個ほど載っているかもしれない。
全体の印象
今回の英文は関係代名詞が省略されている点に気がつけば訳しやすく、添削前の和訳にも特段大きな間違いはないように感じました
1について
「〜種類の」でも良いですが、「〜のような」と訳すとより自然ですね
2について
形容詞のdeskは「卓上用の」といった意味です
分からない単語なりに「小さめ」と類推している点は素晴らしいと思います
強いていうなら名詞のdesk「机」は知っていたと思うので、「机に載るサイズの」くらいまで類推して書けるとさらに良かったです
添削後
それは誰も答えられない質問だ。
大学生の大半が使っているような、卓上用辞書には約10万個ほど載っているかもしれない。